過去5年、あるビジネスで関わり続けているベトナムで、首都のハノイ市に長期滞在中。
いまは雨季に入り、毎日のように激しいスコールが続いている中、おそれた事がついに起こりました。。。
Macbook Proが起動しない・・・涙
今日はただただ長い日記記事なので、先に結論書きますね。
雷による過電流でMBPが壊れる(起動しない)
↓
アップルプレミアムストアに持ち込む
↓
焦げたロジックボードを新品に交換
↓
内蔵HDDから外付けHDDに生きているデータをコピー
↓
内蔵HDDを完全初期化
↓
OS再インストール
↓
外付けHDDから内蔵HDDにデータを戻す
↓
ほぼ復旧 ←今ここ
壊れてから、ほぼ復旧まで、5日間の戦いでした。
虫の知らせで嫌な予感がした真夜中
いつも通り、夜22時くらいから激しい雨と雷が続いていました。
※こちらでいう「激しい雨と雷」は東南アジア特有のスコールで、3時間程度で終わります。日本で毎年話題になる「ゲリラ豪雨」はこのスコールと同じ。
その日に限って、「なんかいやな予感がする・・・。雷が落ちて何かトラブルが起こる気がする・・・・」と虫の知らせがあったのに無視してそのまま就寝。
翌朝、起きて、電源ボタンを押したのに、僕のMBPは無反応・・・。
はい、もう嫌な感じしかしません。
実はその日、何ヶ月ぶりに、Time Machineによるフルバックアップを取ろうとしてました。
つまり、何ヶ月分ものデータがまるごと消えた(と思っていた)のです。。。
電源が入らなくなった原因は、ほぼ、というか、まちがいなく、落雷による過電流で、基盤かHDDに異常です。
奇跡1:住んでいたタワーマンションの下のショッピングモールに、アップルのプレミアムストアがあった
「ベトナムは発展途上国だし、四大卒初任給は4万円くらいだから、誰もiPhoneもMacbookも買えるわけないじゃん」と思っているならば、あなたの知識は古すぎます。というか、既成概念の塊です。
iPhone6Sも、iPad Proも、Maccbookも、持ってる人はたくさんいます。
レクサス、BMW、メルセデス、アウディ、さらには、フェラーリ、ランボルギーニ、ロールスロイスも走ってます。ロールスロイスはゴーストやファントムの実車を置いた直営販売店もあります。
さらに、SATCで”超”有名になった高級靴メーカー「クリスチャン・ルブタン」だって、ハノイ市とホーチミン市に路面店があります。
ということで、ベトナムにも普通にアップル製品は流通してるわけで、ユーザーもたくさんいます。
アップルストアはまだオープンしていなくても、大企業と組んだプレミアムストアは展開しているのです。
今回、まったく起動しなくなった時に、修理費を節約するために怪しい修理屋に持ち込むことも一瞬だけ考えましたが、、、きちんと修理されるか不安でしたし、英語が通じない可能性もあったので、出来る限り、アップルプレミアムストアに持ち込もうと考えてました。
で、アップルの公式サイトから「Vietnam」を選び、「Find a reseller」から探してみました。
なんと、3つもあるじゃないですかーー!!!!
しかも、「23番」は滞在中のマンションの下!!!!
もうね、これは「奇跡」と呼ぶしかなく、「っしゃー!!!」と叫びましたよ、マジで。笑
起動しなくなったMacbook Proをアップルプレミアムストアに持ち込んでみた
ベトナムはものすごく違法コピーが多いです。
ちなみに、Windowsユーザーの80%は海賊版WindosOSを使っている、というデータも数年前に出たくらい。
ハノイ市とホーチミン市だけでも、「非公式のアップル公式セラー」がものすごい数あります。笑
しかも、看板もしっかりと作っているところも多いので、知らない人は確実に騙されますよ。僕も数回騙されましたし。
過去にそういった経験もあるので、今回はしっかりとアップルの公式サイトから住所と名前を調べたのです。
さて、起動しなくなった僕のMBPを持ち込み、そのまま故障箇所の確認作業スタート。
いろいろなチェックとは
チェック1 : 電源ボタンを押してみる ⇛ 無反応
チェック2 : ACケーブルを繋いで、熱を発するか確認 ⇛ 無反応
チェック3 : ACケーブルを変えてみる ⇛ 無反応
チェック4 : お店のACケーブルで充電しながら、電源ボタンを押して、裏蓋のリンゴマークが光るか確認 ⇛ 無反応
チェック5 : 起動ディスクを指定して起動してみる ⇛ そもそも電源が入らないので無反応
チェック6 : 強制的にOS起動 ⇛ 無反応
その後も色々と出来る限りのチェックをしましたが、すべて無反応なので、そのまま「入院」となりました。。。
最初の診断結果はロジックボード交換
翌日、アップルプレミアムストアのスタッフから連絡がありました。
「ロジックボードが焦げてショートしています。これはロジックボードの交換以外、復旧できません」
この時点で祈りました。。。
「どうかHDDだけは無事でありますように・・・・」
ロジックボードを交換しても、OSが起動しない・・・汗
その翌日、無事にロジックボードが交換されて、ストアに戻ってきたMBP。
早速、お店のスタッフと一緒に起動確認。
・
・
・
・
・
・
あれ?
起動しない・・・
僕もスタッフも「無言」。
だって、二人とも部品交換したら終わりだと思っていましたからね。
今回の事件はここからが本番でした。。
残っているデータの確認と救出作業スタート
OSが起動しない、ということは、HDD内のOS系ファイルが破損している証拠。
実は最初に電源が入らなくなった時に恐れていたのはこちらでした。
僕はMacを信頼しまくっていたので、夜寝るときに電源は落とさずに、スリープモードにしていました。
2つの違いを超シンプルに書くと
電源を落とす = HDDへのアクセスは切られる
スリープモード = 裏でHDDにアクセスし続けている
ということです。
スリープモードの方が次回の起動時間が短いので、多用している人がほとんどだと思います。
僕も、寝る時も、移動するときも、さらには、飛行機で移動するときも、スリープモードでした。
その癖が今回は悪い方向に影響しました。
落雷による過電流が起こった時、HDDはアクセスされ続けている状態で、コンセント⇛ACケーブル⇛バッテリー⇛ロジックボード⇛HDDまで電流が来ていたのです。
電流が来ているのは良いのですが、問題は大きさです。
今回はロジックボードを焦がしてしまうほどの巨大電流。
HDDのデータ破損なんて簡単です。
OSが起動しない = OSファイルのどこかが破損している証拠 ですが、問題は他のファイルへの影響度です。
何ヶ月もバックアップ取っていなかった間、実は、ビジネス的にかなり重要なことがあり、そのデータが丸ごと消えると「ヤバイ・・・滝汗」なのです。。
お店のiMacに僕のHDDを繋いで作業フォルダの確認・・・・
・
・
・
・
おっ!?
見れるじゃん!!!!( = 無事)
奇跡2:データは生きていた
OSは起動しなくなりましたが、僕が作業してた・保存していたファイルは、なんとすべて無事!!!!!!
ここで今回二度目の
っしゃー!!!!! 発動。笑
Time Machineでのバックアップは・・・
HDDが見れたことに安心した僕とスタッフは調子に乗って「Time Machineでのバックアップ」を試みることにしました。
なぜなら、作業フォルダ以外にも、必要な設定やファイルがあり、一人一人その状況が違うので、一概に作業フォルダだけをコピーしても完全普及できないからです。
このとき、僕のHDDは約500GB。
お店のiMacをつかって、Time Machine起動⇛バックアップ開始!!
必要な時間は、なんと約20時間!!!
「時間はかかっても、ちゃんとバックアップ取れるならいいかぁ〜〜〜」とお気楽なまま帰宅した僕でした。。
Time Machineでのバックアップは失敗
翌日の夕方、「そろそろ終わったかな〜〜〜〜♪」なんて浮かれ気分のまま来店した僕。
スタッフから衝撃的な一言
「OSファイル以外にもデータ破損があって、Time Machineバックアップできなかった」
・
・
・
・
・
え!?
ええっ!?
まじっ!?
ここから数時間かけて、
・必要なファイルやフォルダのデータがあるか無いか
・必要なファイルがあったら外付けHDDにコピー
を繰り返すことになります。
しかし、容量が巨大すぎて、確認作業+コピー作業だけでも半日以上の作業。。
途中であまりにもめんどくさいので、「外付けHDDに全コピー」して帰宅しました。
iPhotoライブラリーとPhotoライブラリーの魔界
最新のMacOSになったとき、アップルの写真ソフトの名前が変わりました。
以前 iPhoto
現在 Photo
なーんだ、名前が変わっただけじゃーん!!!って思っていたら大間違い。
実はそのライブラリー(写真や動画の保存フォルダ)も変わったのです。
「Photo」になって最初の起動のとき、「iPhoto」から読み込んだ場合、丸ごと同じデータがコピーされます。
僕の場合、元の「iPhoto」は90GB、それをコピーしてさらに新しい写真を追加した「Photo」が100GBありました。
これが魔界への入り口・・・。
どうやら、両ライブラリーともファイルの一部が破損しており、コピーも移動もできなくなっていました。
さらに、Photoアプリを立ち上げて読み込もうとしても読み込みエラー。。。
こうなると手段は1つ。
このライブラリーを開けて、中にあるオリジナルファイルを手動コピーしかないです。
幸いにもオリジナルファイルのフォルダーは簡単に見つかりました。「Masters」という名前。
過去のすべてのオリジナルファイルがここに格納されてました。なので、そのままこのフォルダを全コピー。
しかし、コピーエラー。
幾つかの写真ファイルが破損していて、コピーエラー。
写真や動画の数は、約2万。。。
どれが無事で、どれが破損してるのか、それを確かめる方法は無く、「コピーエラーが出たら残す(消す)」のみ。
アップルプレミアムストアのスタッフは、エラーが出たことは教えてくれますが、ファイルを消すことはしてくれず、結局、僕が「消してください」と毎回言わないといけないので、ずっとお店に待機することになります。
この作業だけ数時間・・・・。
思い出を残すためなら仕方ないですけどね。
必要(そうな)ファイルはほぼコピーできた
iPhotoとPhotoの魔界に入りつつも、他のフォルダもコピー。
かなり時間はかかってしまいましたが、Macに詳しい日本の友人にも協力してもらい、復旧に必要そうなフォルダのコピーは無事に終わりました。
コピーしたフォルダ
・「アプリケーション」
・「User」
※ 「Music」 > 「iTunes」 > 「Mobile Applications」は削除。これはiPhoneやiPadのアプリのフォルダ。削除しても再DL可能。
※ 「Picture」 > 「iPhoto.library」「Photo.library」は前述の通り、オリジナルファイルが入った「Masters」の中でコピーできたものだけコピー。
・「Lirary」 > 「Application Support」
・「Lirary」 > 「Keychains」
・「System」 > 「Lirary」 > 「Keychains」
あとは、HDD初期化・OS再インストール・データ戻すだけ
今までの作業の山場がウソのように、ここからの作業はものすごくスムーズに進みました。
HDD初期化
はい、一瞬です。
たぶん2分もかかっていないのでは?
OS再インストール
さすがアップルプレミアムストアのスタッフ。
こちらも流れ作業で一瞬で終了。
一つ問題が残っているのは、ベトナム語版のMacOSだっただけ。笑
外付けHDDからデータを戻す
こちらもいたって普通の作業。
USB3.0対応のHDDを買っておいてよかったー!!とこの時、過去の自分に感謝感謝。
各種サイトへのログインとパスワード確認
パスワード管理は、Mac自体に保存する or LastPassなどのパスワード管理ツールを使う などの手段があり、僕は後者だったので、Macが壊れてもパスワード管理は問題ない。
すぐに各サイトへのログインが出来ました。
唯一、GMAILは手間取りましたけどね。
教訓
今回の事件で、たくさんのことを学びました。
以下、教訓です。
教訓
1:Time Machineバックアップはこまめに
2:パスワードは外部のツールを使う
3:外付けHDDはUSB3.0以上
4:アップルケアには入っておく
5:スコールやゲリラ豪雨の時はACケーブルを繋げない
6:写真や動画はクラウドのサービスへ(僕はGoogleフォト推し)
こんな感じでしょうか。
ちなみに、かかった費用はロジックボードの交換費用だけでした。
プレミアムストアのスタッフはまじで親切で感謝!!!
かかった費用
・ロジックボード新品交換費用
5,800,000 ベトナム・ドン
(約 29000円)
日本で同じことをすると、2倍位かかるかもー。
ただのダラダラした日記記事にお付き合いいただき、ありがとうございました!